「椅子ひとつとっても、ただ座れたらいいって思う人もいれば、そう思わない人もいる。こだわりたいなって思うところって一人ひとり違うじゃないですか」
「お客さまに話を伺って、ぴったりのものを提案できることがすごく楽しいんです。たとえばソファーだったら、なかにバネを使うか、ウレタンを使うかで座り心地も耐久性も違ってくる。お客さんの暮らしにどの家具が合うのか想像したりして。今は夢中で働いています」
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村内ファニチャーアクセス(村内FA)は、八王子に拠点をおく家具・インテリアの大型専門店。八王子や相模原、横浜に店舗をもち、200以上のブランドを取り揃えています。
今回募集するのは、家具の販売スタッフと、仕入れをするバイヤー。加えて、事務スタッフも募集します。
どの職種でも大事なのは、「聞くこと」。
お客さんとじっくり向き合い、来てよかったと思ってもらえるよう試行錯誤を重ねていく。
家具が好き、人と関わる仕事が好き。理由はなんでも大丈夫。
目の前の人を喜ばせたいと一生懸命になれる人であれば、健やかに働ける場所です。
新宿駅から中央線快速に乗って40分。
八王子駅から村内FA八王子本店へは、無料のシャトルバスが出ている。次第に緑が増えてくる景色を眺めていると、15分ほどでお店に着く。
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ずらりと家具が並ぶ広い店内。
「カリモクニュースタンダード」「カール・ハンセン&サン」「オークヴィレッジ」など直営店やセレクトショップ以外で見ることが少ない家具ブランドも数多くならぶ。
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地下1階から3階にある売り場の面積は、なんと13,500㎡。調べてみると、サッカーコート約2面分の広さ。
「日本最大」と言われる家具の品揃えに圧倒されながら、4階の会議室に向かう。
にこやかに迎えてくれたのは代表の村内さん。
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1948年に、八王子駅から8キロ離れた山奥で創業した村内FA。
戦争が終わり、復興がはじまったころ。当時の市内の学校には机も椅子もなく、子どもたちは硬い床に直接座って授業を受けていたそう。
「父は、裏山の木を使えば、家具くらいならつくれるのではないかと、製材木工所の事業をはじめて。自転車で近くの家を1軒1軒まわって、御用聞きのように家具の注文を取っていました」
はじめてみたものの、お客さまが欲しい家具に使うヒノキやケヤキは近くの雑木林にはなく、次第に家具の仕入れ販売に力を入れていくようになった。
家の一角からはじまった商売を、大きく大きく育てていく。
「この八王子店の場所にお店を開いたのは1969年。そのときは村内ホームセンターとしてオープンしました。『ティーカップからロールスロイスまで あなたの全ての夢を叶えます』をキャッチフレーズに、外車から生活雑貨も取り扱って。暮らしに関わるあらゆるものが揃うお店にしたかったんです」
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今年で創業77年を迎える村内FA。村内さんは「『お客さまに喜んでもらうこと』を一貫して考えてきた歴史」だと言う。
「駅や商業施設のなかにある店舗と違い、お客さまは目的を持ってお店に来てくれます。わざわざ大切な時間とお金を使って来てくれて。これって本当にありがたいことなんです」
「だからお客さまがお帰りになるときに、『あぁ、来てよかった』と思ってもらえるよう経験価値を高めていかないといけない。それには、人が大事なんです」
人が大事?
「売り場に立つスタッフは、必ずお客さまを見かけたらお声がけをします。1対1で、お客さまがお話されることを一生懸命伺う」
「つい商品の説明をしたくなっちゃうんですけど、一番大事なのは、お客さまが今日どんなことを思っていらっしゃったのかをよく伺うこと」
家を新築した、家族が増える、子どもの独立。早く買い物を終えたいのか、時間があるのか。目の前のお客さんが、どんな状況なのかによって適切な案内は変わる。
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商品を購入したお客さんには、ハガキでのアンケートに答えてもらい、スタッフにも共有している。
「5段階評価で満足度を答えてもらう欄があります。ネットでのアンケートだと、ただの5なんだけど、お客さまが本当にうれしかったとき、ハガキだとただの丸じゃなくて花丸が書いてあったりするんですよ」
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「売るときだけじゃなく、配送も含めて、お客さまに評価をいただいています。お客さまが喜ぶことで、自分もうれしい。うちの商売はそういうものでありたい」
「買っていただいたものが、何十年もお客さまの暮らしのなかにあるんです。たとえば、椅子が一つ増えるだけで、生活の動きや、暮らす人の気持ち、ちょっとおおげさだけど暮らしも変わる。だから、すごく責任もあるし、面白い仕事だと思っています」
実際の仕事はどんなことをするんだろう。
次に話を聞いたのは、商品部バイヤーの和田さん。ソファーやリビングに置く家具の買い付け、商品の売り場でのレイアウトを担当しつつ、売り場に立つこともある。
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「お取引先の方からすると、私がお客さまの立場になります。相手がよいしょしてくれることもあるんです」
「ただ、そういうことにおごらないように、真摯に商品を見るようにしています。お客さまに喜んでもらえる商品か、ということが何より重要で。ある意味、すごく平等だし、区別しないんです」
家具を見るなかで、ここは改善できるんじゃないかと思ったところは素直に伝えるそう。改善された家具を仕入れることもある。
「村内社長からは、『お取引先の方に感謝を伝えなさい』とよく言われます。いい商品を直接仕入れさせてもえるから、うちの商売が成り立つ。だから、ありがとうございますと、よく言うようにしていて。こちらが言うと、相手からも言ってもらえる。いいサイクルができているなって思います」
取引先のメーカーを訪ねることもあれば、逆にお店を訪ねてくれることも。メーカーから直接、売り場のつくり方や商品の説明のレクチャーを受ける機会もある。
買う、売るだけではない、人と人との関係。
お互いに顔の見える関係を築いていくことが、長い信頼関係につながっていくのだろうな。
「この商品を仕入れたら、お客さまに喜んでもらえると思って仕入れますけど、実際にそんなお客さまは1人もいないこともあります」
「正解がないので、難しい。だからこそ、仕入れの決め手と同じところをお客さまが気に入ってくれたという声を聞くと、やっていてよかったなぁと思いますね」
月の3分の1ほどは、商品の買付や取引先を訪ねる。家具産地の福岡県大川市には、年に4回、ほかにも静岡県、岐阜県、広島県に行くことも。
「最初の1回目の出張は展示会で。正直に言うと、どんな雰囲気かも、どうやって選べばいいかもわかりませんでした。先輩と一緒に行ったのですが、すごく緊張して」
「そこで仕入れた『BIGGER』というソファー。価格も手頃で、そのころ仕入れていたソファーが堅めのものが多い印象があったので、柔らかめで座り心地のもの、というので選びました。その後も関係が続いていて、仕入れられてよかったなと思っています」
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どんな理由で買ってくれたかや、逆になんで買ってもらえなかったのか。お客さんの声を売り場に立つスタッフから聞いたり、自分が立つ際に直接聞いたり。1つでも多くの声を参考にしながら仕入れの商品を選ぶ。
バイヤーのチームは和田さんを含め7名。
年上の先輩が多く、アドバイスをもらえる機会も多い。最終的に仕入れるかは自分で決める必要があるけれど、悩むことがあれば気軽に相談できる。
「買付に行くと3日間くらいずっとソファーを見続けます。だから、家具が好きな人がこの仕事にはあっているんじゃないかな」
「あとは自分なりの仮説をたてて、仮説検証ができる人。似たようなものばかりを仕入れる訳ではないので、常に売り場に違うものを入れないといけない。広く情報をキャッチして、自分のなかで仮説を立てて商品を仕入れていくビジョンを持てるといいですね」
最後に話を聞いたのは、右から八王子店の店長の荻島さんと、販売スタッフの茂木(もてぎ)さん。
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荻島さんは生まれも育ちも八王子で、新卒から村内FAに入社して26年になる。
茂木さんは子ども向け英会話の営業職から転職し、1年ほど前から村内FAで働いている。
やわらかく話すふたりに、なんだかこちらもほっとする。
今回募集する販売スタッフは、茂木さんと同じポジション。売り場での接客をメインに、電話対応、商品の入れ替え、売り場の清掃などを行う。
「うちは広いし、商品数も多い。お客さまが1つの商品を選ぶのって大変だと思うんです」と荻島さん。
「だから、私たちが短い時間でお客さまの要望に合うものを提案することが必要です。売っている家具もつくりがしっかりしていて、決して安いものではありません」
「スタッフもメーカーの思いや歴史を勉強して、お客さまに愛着をもって長く使っていただけるように提案や使い方のアドバイスをしています」
入社すると家具の基礎知識を売り場の商品を見ながら学ぶ。売り場に出てからは、フロアの先輩や荻島さんに教えてもらいつつ、業務の空いた時間に商品の勉強をしていく。
「私も入社当初全く商品の知識がなかったんです」と茂木さん。
「入ってからしっかり学べるし、みなさんすごく優しくて。長く働いている方が多いので、20代とか年齢が近い人は少ないですが、寂しさとかはなく、安心して働けています」
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八王子店では、パートタイムのスタッフも含め49名が働いている。毎週日曜日は、出勤しているスタッフみんなで朝礼をしたり、同じフロアのスタッフ同士で話したり。お客さんと同様にスタッフ同士のコミュニケーションも丁寧だ。
平日はお客さんの数もそれほど多くないので、商品の勉強や売り場の整理など、接客以外の仕事をすることも。一方で、土日にはたくさんのお客さんが訪れ、対応しきれないこともしばしば。
「しっかりお客さまとお話をすると、1日はあっという間です。長いと1組に2、3時間付きっきりで対応することもあります。悩んだり、テーブルを決めて、次にラグを決めてと買い回ることもあって、どうしても長くなっちゃうんです」
「ご契約までの時間を一緒に過ごすので、お客さま一人ひとりと関係ができていく感じが好きで。どんなお部屋なんですかとか、どんな家具を使っているんですかとか。お客さまとの何気ない会話が私にとってすごく大切なんです」
うれしそうに話す茂木さんに、「100点満点ですね」と笑う荻島さん。
働き方はどうですか?
「休みは1ヶ月前ぐらいにシフトで希望を出します。土日は基本出勤ですが、週2日は確実に休めます。平日休みだと映画館の料金が安かったりとお得なんですよ」
販売からは販売を極めていくことも、管理職やバイヤーに進んでいくこともできる。まずは、お客さんに触れ、家具を通して話せるようになってほしい。
大型店というと、売り手の気配が薄くなる印象がありました。
村内FAは、そのイメージと違い、人がいるからこそ売り場ができている。
目の前の人に喜んでもらえるとうれしい。そんな気持ちがある人に届いてほしい仕事です。
(2025/01/23 取材 荻谷有花)