カッコいいものをつくりたい、自分の才能を活かしたい。
デザインや設計をする理由は、さまざまだと思います。
小林商店の代表、小林さんは「お客さんのビジネスを成功させるため」と話します。
店舗内装のデザインを手掛ける小林商店は、店舗コンセプトの立案やデザインから工事会社との調整まですべての工程をサポート。ときには、お店のロゴ制作や、PV動画を作成することも。
内装デザインの枠にとどまらず、ビジネスを成功させるためにできる事はなんでもやります。
その姿勢が信頼につながり、リピーターによる依頼も増加。順調に事業を伸ばしています。
今回は、一緒に会社を育てていくデザイナーを募集します。
建築または空間デザインを学んでいれば、実務経験は問いません。小林さんが段階を追って丁寧に技術を教えていってくれるそう。仕事の無駄を省いているので、基本は定時で帰れます。
今はまだ社員4人の小さな会社ですが、これから規模を大きくしていく予定。設計を軸に、いろいろなことにチャレンジできる仕事だと思います。
原宿駅を出て明治通りへ。
近くには、若者が集まる竹下通りや、クリエイターを中心に多様な人があつまる商業施設「ハラカド」などがある。
こんな場所にオフィスがあったら、日々のランチや通勤も楽しいんだろうな。
駅から10分ほどで、小林商店が入居するシェアオフィス「THE SHARE」に到着した。
レンガとブルーの壁の組み合わせがカッコいい。
1階はアパレルやアウトドアブランドのショップが入っていて、2階はオフィスフロア。6階には入居者が自由に使える共有のラウンジやシアタールームがあるんだそう。
2階にあがると、迎えてくれたのは代表の小林さん。
アトリエ事務所で設計士として建築を学んだのち、店舗内装の設計施工会社に転職。会社のNo.2として、デザインや営業を担当していた。
「昔から39歳の『サンキュー』の年に独立するって宣言していたようで(笑)。ちょうどコロナの時期とかぶったんですけど、ここを乗り切れたらどこでも生きていけるだろうと思ったんです」
これまでの経験を活かして立ち上げたのが「小林商店」。
「ビジネスを成功させるデザイン」を掲げ、内装のデザインだけでなく、工事会社との関係づくりから、費用や日程調整などのマネジメントも担当。店舗づくりに関わるさまざまな人のハブのような役割を担っている。
現在、小林さんが手掛けているのは「EBISU FLOWER PARK」と呼ばれる会員制バーの新店舗の内装。
店内にたくさんの生花をあしらった幻想的な空間が特徴で、若い女性を中心に人気を集めている。今後さらに事業を展開するため、2025年2月までに新たに全国で8店舗をオープンしたいと相談を受けた。
「プロジェクトの依頼を受けたのが3ヶ月前。かなりタイトなスケジュールなんですけど、なんとか間に合わせたいと思って。私と、工事業者とお客さん全員で、2日間で博多や神戸、名古屋などの現場を巡って下見をして。その場で間取りを決めてきました」
クオリティの高い空間をつくりたいけど、店舗数を増やすためにもコストをあまりかけたくないというのが、クライアントからの依頼。
そこで考えたのが、600円ほどで買える安価な網を天井に取り付けて花を吊るすこと。材料をうまく活用することで、費用を抑えつつもクライアントが表現したい世界観をつくりあげた。
ほかにも、本来なら家具屋さんに依頼する什器を、大工さんにつくってもらうことでコストを抑えたり、隠れる部分の塗装は塗装屋に依頼せずに自分たちで塗ったり。
工夫を重ね、コストを抑えた空間づくりを提案している。
「多くのデザイン会社が、自分たちのこだわりとかつくりたいもののために、コストが高くなる。でも、私たちが目指すのは、自分たちの表現ではなくてお客さんのビジネスを成功させること」
「だからお客さんの予算に応じて、工事を簡略化したり、自分たちでできるところは自分たちでしたりして、工事費を工夫する。そういう姿勢が伝わるから、お客さんも工事会社もみんなが一つになって協力してくれるんだと思います」
ときには、クライアントのロゴづくりや、メニュー表のデザイン、宣伝のための動画を撮影することもあるんだとか。
お客さんのために、どうしてそこまでできるんでしょう。
「もちろん限度はありますよ。嫌な人のために頑張ることはないです。でも、力になりたいと思うクライアントがいたら、やっぱり色々したくなるじゃないですか。うちはこれしかやりません、っていうのはあんまり好きじゃなくて。お客さんが困っているなら、できるだけ力になりたい」
「それに、お客さんのビジネスがうまくいけば次の依頼にもつながる。ビジネスを成功させることが、ぼくたちの利益にもなるんです」
小林商店が主にターゲットとしているのは、空間を大切にした店舗展開を目指しているベンチャー企業。一つの店舗では収まらず、幅広い店舗展開を目指しているからこそ、お客さんのビジネスの成功が、次の小林商店の仕事にもつながっている。
実際、依頼数も順調に増え、年間の利益は昨年の2倍に。お客さんも、自分たちも。関わる人たち全員のビジネスがうまくいく、そんな循環が生まれている。
「アトリエ事務所で仕事をしていたときは、時給600円とかで。本当に夢だけがあってお金がない。ひもじくて夢もどんどん削られていく時期があったんです。いいデザインだとしても、それだけをやっていても意味がないって気づいて」
「ちゃんと自分たちもお客さんも儲けられるデザインをしたいと思っています」
今後はさらに社員数も、案件数も増やしていく予定。今年は企業広告の掲出や、オウンドメディアの立ち上げなど、さまざまな投資に動き出している。
「今年は小林商店という社名も変えます。私の会社、ではなくて、今働いてくれている人や、新しく入ってくる人にも自由に活躍していってほしい」
「多くの人と、多くの成功に向けて、多くのデザインをする。そんな想いを込めて『オオクデザイン』という名前にする予定です」
小林さんは、理想や人情がある人。その上で、根底にはしっかり儲けることや、ビジネスへのこだわりを持ちながら、会社を大きくしていっていると感じる。
新しく入る人も、間近で小林さんと働くことになるので、デザイン以外にも学べる部分が多いと思う。
小林さんは、どんな人と働きたいですか?
「一緒に会社を大きくしたいと思ってくれる人だとうれしいですね。そのうえで、建築やデザインを勉強したことがある人。その条件さえ満たせば、まずは全員と会ってみたいです」
記念すべき社員1号として入社したのが、立枝さん。ウェブデザインの仕事から「かたちに残るものづくりがしたい」と専門学校に通い、2年前に小林商店に入社した。
「いろいろな設計会社との面談やインターンをするなかで、話を聞いていて一番ワクワクしたのが小林商店だったんです」
「小さい会社だから、いろんなことが経験できそうだなと思って。それに、小林さんから『最初から全部をやるのは難しいから、1個1個ステップを追って教えてくよ』っていう話をしてもらえて。安心して入社できました」
新しく入る人も小林さんから仕事を学んでいくことになる。1年目は図面やパース、2年目に現場、3年目にその両方を学ぶ、といったふうに、計画的に教えてもらえるのは魅力の1つだ。
「デザインをするといっても、まずは基礎がないと難しい。技術的な部分を最初にしっかり教えてくれるのが、ありがたいです」
今は「現場」を学んでいる最中だという立枝さん。
「最近は『バチュラー・ジャパン』に出演していた黄皓さんが運営しているジムの内装を手掛けていて。新店舗のオープンのために、博多や仙台、前橋など、いろいろな現場を飛び回っています」
印象に残っているのは、東京の現場での仕事。
「ミラーフィットと呼ばれる鏡型のデバイスを設置するんですけど、部屋の壁の鏡とミラーフィットを一体化させたいっていうお話があって」
「設計図面に落とすのは難しかったので、現場で監督さんと相談しながら、どうやったら段差がなく綺麗に納められるかを決めていきました」
電源コードを見えないように設置するために、コンセントの位置を調整したり、スイッチを押せるように鏡とデバイスの隙間の大きさを考えたり。現場の状況を見ながら判断していった。
「うちと一緒にプロジェクトをしている現場監督の方は、やる気がある方が多くて。どうやったらうまくいくかを一緒に試行錯誤できるのはありがたいなと思います」
パートナーとなる工事業者の選定は、クライアントではなく小林商店が担う事が多い。だから現場で会う人たちも、一緒に仕事がしやすい人が多い。
「この仕事を始めて一番感動するのは、やっぱり空間が実際に出来上がったとき。図面で書いていたものとか、現場で何度も打ち合わせしたものがちゃんと形になったとき、やりがいを感じますね」
ミラーフィットのジムのほかにも、「クッキー界のフェラーリ」と呼ばれ、海外で絶大な人気を集めている「RUMBLE CRUMBLE」の日本初店舗の内装など。
勢いのあるクライアントが多いから、刺激を受けることも多いはず。一方で、仕事量が多くて大変そうなイメージもある。
忙しさはどれくらいなんでしょう。
「ありがたいことに、仕事は多いんですけど基本は9時に出社して18時の定時には帰れています。残業も、しても1時間とか2時間半くらい。メリハリをつけて働けてるなと思います」
「ただ、現場に行く機会が多いので、ずっと机に座ってパソコン作業をしている仕事だと思うとギャップがあるかもです。全国いろんなところに行けたり、現場をみることを楽しめる人のほうがいいかなと思います」
取材中、代表の小林さんが話してくれた言葉が印象的でした。
「店舗デザインって、お客さんの人生を左右する仕事だと思うんです。デザインや、それにかけるコストによって、お客さんの商売がうまくいくかどうかが変わってくる」
目の前のお客さんのビジネスを成功させる。
そんなブレない芯を持って、設計の枠にとどまらず、いろんなことに挑戦することができる。面白い仕事だと思います。
(2025/01/22 取材 高井瞳)
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