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バイク旅をプロデュース心に残る、バディに出会える運転できなくてもOKです

バイクを使ったアテンド付きツアー。

世界では広がりつつある業態のようです。まだまだ日本には少ないようで、こんな旅の形があることにびっくりしました。

もっと驚いたのが、そこで体験できる時間。

国を超えて集まった仲間と寝食を共にしながら、バイクに乗って日本各地を回る。

訪れた先で感動を分かち合い、ときには自分たちの人生について語り合う。

数週間過ごすと、人生のバディと呼べる友人になり、再会を約束する。

こんな素敵な体験を提供する事業は、開始から5年が経って大きく成長しています。

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手掛けているのはMOTO TOURS JAPAN株式会社。

長年レンタルバイク事業を手がけている経験をもとに、2019年からバイクツアー事業を開始。

訪日外国人向けのツアーを主軸に、女性ライダーの公道デビューを目的としたプリンセスツアーを手がけ、業界内でも一目置かれる存在になっています。

今回は、バイクツアーを手配するオペレーションスタッフと、ツアーに同行するアテンダントを募集します。

どちらも英語を話せる必要がありますが、バイクの経験は問いません。

観光を通して目の前の人を笑顔にしたい。新しい事業にチャレンジしたい。

そんな人に、ぜひ知ってほしい仕事です。

 

渋谷駅から東急田園都市線に乗って35分ほどで、すずかけ台駅に到着。

国道246号線沿いを7分ほど歩くと、たくさんのバイクが並ぶ建物が見えてきた。

ここがMOTO TOURS JAPANのオフィス。1Fがドゥカティのショールームとレンタルバイクやツアーの手配をする営業所、2Fが事務所になっている。

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店内に入ると、自分の肩ほどの高さの大型バイクが並んでいる。

しっかり見るのは初めて。バイクってこんなに大きいんだ。

受付で待つこと数分、社長の原田さんがいらした。店内のカウンターで話を聞く。

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高校を卒業後、当時付き合っていた人を追いかけてオーストラリアに行った原田さん。

現地の語学学校に通い、卒業後は大学に編入。

「モータースポーツの音によるネガティブインパクトを研究しました。そんな自分がバイクの仕事につくとは思ってもいませんでしたね」

現地の旅行代理店で3年働いた後に帰国。縁あって入社したバイクメーカーで15年間働いたあと、いまの代表取締役に声をかけてもらい、バイクツアーの存在を知った。

「長年バイクの仕事をやっていましたけど、バイクのツアー会社があるとは思っていなくて。初めて会う人たちが、ツアーの最後に仲良くなって帰る姿を見て、これは世界平和につながるサービスになると思いました」

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「人生を豊かにする旅を提供する。そんな仕事に出会えるなんて、めったにない。そう思って、社長を引き受けました」

バイクツアーは、まだ日本においては知名度が低い。一方で、海外には500社以上もバイクツアー専門の会社がある。

2020年に国内企業で初めてイタリアのオートバイメーカーであるドゥカティ社とのトラベルパートナー契約を結んだ。すると世界中のバイクツアー会社から依頼が来るように。

「行政とのつながりも生まれて、官民連携ツアーも手がけるようになりました。たとえば産地を訪れて食事をするツアーや、日本の寺社仏閣を訪れるツアーも企画・運営しています」

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「ツアー会社や、個人の口コミ、SNSの紹介でお客さんが広がっていて。日本でバイクツアーや、レンタルバイクを探す際の窓口にもなっています」

ありがたいことにバイクツアーの依頼が増えてきて、現在はツアーを待っている人が多い状況。もっと多くの人に、日本でのバイクツアーを楽しんでもらいたい。

そんな思いから、事業の拡大に伴って、新しく人を採用することになった。

 

「メインが海外のお客さん向けツアーということもあって、コロナ禍にものすごく苦戦して。そのとき、彼女のおかげで『プリンセスツアー』が生まれたんです」

そう言って原田さんに紹介してもらったのが、オペレーションマネージャーの久保さん。気さくでなんでも話しやすい方。

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実は久保さん、社長の原田さんとはオーストラリアの語学学校での同級生。

卒業後は日本の旅行会社に就職して、15年間、個人向けの旅行手配の仕事をしていた。

「留学から旅行までなんでも任せてもらえる環境でしたが、決まった選択肢をパズルのように組み合わせてつくるツアーにもどかしさも感じていました」

「そのときに原田さんから誘ってもらって。ここなら1からツアーをつくれると思って入社を決めました。バイクはまったくの未経験で不安もありましたけど、会社の研修やみんなのサポートもあって、なんとか中型免許も取りました(笑)免許は取らなくてもいいと言われたんですけどね」

せっかく免許を取ったものの、オフィスのある国道246号は交通量が1日を通して多く、初心者がバイクに乗って走るには、相当ハードルが高い。

そんな久保さんの原体験から生まれたのが、免許を取得したての女性ライダーを対象に、公道でのバイクデビューを応援する『プリンセスツアー』。

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北軽井沢や京丹後など、交通量の多い都会から離れた場所で、自然を満喫しながらバイクの楽しみ方を知ることができる。

今では販売開始から1-2時間で完売するほど人気のツアーになり、大手バイクメーカーのツアーの柱にもなっている。

このプリンセスツアーだけでなく、久保さんは世界中から訪れてバイクツアーに参加する人たちともやりとりする。

基本的にはHPを見た人からメールが届いて、やり取りがはじまる。言語は英語がメイン。滞在期間やルート、乗りたいバイク、予算などをヒアリングして、カスタマイズしたツアーを提案。

ツアーが決まってからは、飛行機などの渡航手配や、日本の滞在にあたっての疑問を聞くなど、安心して日本に来てもらえるようフォローする。ちなみに宿泊先の手配は提携先に委託することが多いそう。

ツアー中は、アテンダントの動きを本社で見守りながら、お客さんとコミュニケーションをとったり、イレギュラーが発生した際には裏でフォローしたり、自分が手配したツアーを最後まで伴走する。

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久保さんが入社した当初、コロナが流行り出した。海外からの旅行客に向けたツアーの開催が難しくなっていく。

そんな時期に、オーストラリアの男性2人組と計画したツアーのことが、今でも心に残っている。

万全な感染対策をしてツアーを敢行しようと手配を進めていたものの、ついにロックダウン。日本に入国することができなくなってしまう。

その男性から一通のメールが届く。

「スリムな男性だったんですが、最近撮った国際免許の写真では別人のように太っていて。その方は、奥様を1年前にご病気で亡くしたそうなんです」

ショックで何もできなかった。そんなときに奥様がバイクに乗りながら、日本の桜を見たい、と話していたことを思い出す。あらためて日本へ行こうと思いつく。

「この旅は、人生のリスタートという特別な意味が、彼にはあったんです。最近になって、ついに日本に来られそうだというメッセージをもらって。ただ商品を売っているだけじゃなくて、ツアーに参加する人の人生に、深く関わっている仕事なんだと感じました」

 

一生に一度体験できるかどうか。そんな心に残る旅をつくる。

まさにそれを体現している人として紹介してもらったのが、2年前にツアーアテンダントとして入社した大地さん。

お客さんのニーズを汲み取って臨機応変に対応する、物腰の柔らかい話しやすい方。

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昔から乗り物が好きで、航空会社のキャビンアテンダントを目指していた。お父さんの影響もあって、学生時代にバイクを乗りはじめる。

コロナの影響で航空会社の採用が縮小。ほかの仕事を探していたところ、Youtubeでバイクツアーの存在を知る。翌日には会社に履歴書を送った。

当時は事業が整っていなかったこともあり、人を募集していなかった。けれども熱意が認められて入社することに。

ツアーを提供する上で、アテンダントの仕事は多岐にわたる。

日本の交通ルールやツアーの行程を事前に説明したり、ツアー期間中は天候や交通状況を見ながら、お客さんの趣向を踏まえて、翌日走るルートを調整したり。

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一般的には、ガイドとツアー客は別の場所で食事をとることも多いそう。けれど、MOTO TOURS JAPANのツアーではアテンダントも仲間の一人として、お客さんと一緒に食事をとったり、同じホテルに泊まったりする。

「今日走った道のこととか、自分の愛車の話をよくします。バイク乗りって、やっぱり自分のバイクが一番かっこいいんですよね」

「バイクの話を始めると、どんな人でも距離がすぐに縮まるのを感じます。愛車の写真を見せてくれるお客さんの表情がいいんですよね」

基本的なバイクツアーの旅程は2週間。

「たとえば」と見せてくれたのが、とあるツアーの計画。

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営業所のある横浜を出発して、河口湖、岐阜を経由して、京都では観光も含めて2泊。高松、広島に着いてからは折り返し。鳥取、福井、岐阜の高山、草津温泉、最後は日光に行って、東京に戻ってくる。

「ツアーの途中、高松から広島までずっと高速道路に乗るんですが、高速って景色が変わらなくて疲れるみたいで。そこで途中で高速を降りて、山のなかをクネクネ走るルートを提案しました」

「走り終わって目的地に着いたら、お客さんが大盛り上がりで『いやあ、いい道だったよ』って。ヘルメットを脱いだときのニコッとした表情とか、お客さん同士でハイタッチする姿を見られてうれしかったですね」

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最近、特に印象的だったのが、去年はじめてアテンダントを担当したお客さんから連絡がもらえたこと。

「ツアーに参加頂いたシンガポール人の参加者の方々から、また日本でツアーに参加したいというメールが届いて。北海道をまわる5泊6日のツアーを企画しました」

当時のライダー仲間とつくったLINEで呼びかけたところ、一緒に走ったアメリカ人ライダーの方も急遽参加してくれることに。

「再会するときは、自分もちょっと緊張しました。でも久しぶりに会った瞬間『うわー、久しぶり!』って抱き合っているみなさんを見て、本当に一生の友達になっているんだなって思いました」

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とても素敵な仕事ですね。大変なこともありますか?

「そうですね。バイクが15台くらいで一緒に走るので、高速道路の分かれ道を途中で間違える人がいないか、またツアー中に事故が起きないかは、常に気を配っています」

「あとは繁忙期に休みがないことですね。夏や冬にツアーがない分、春と秋はツアーのオンシーズンなので休みがほとんどないです。ただ、お客さんの満足そうな表情を見られると、つかれも吹き飛びますね」

 

まだまだ新しい取り組みで、前例がないことばかりのツアー。

決まった型も少なく、きてくれた人に合わせて試行錯誤が必要な仕事です。

でも一生に一度となる、心から満足してもらえるような旅をともにつくれると思います。

(2024/12/13 取材 櫻井上総)

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