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煌めく機能性と美しさ一瞬一瞬伝えるブランドストーリー

表面の皮膜の厚みをナノメートル単位で変えて表現する、多彩な色。

氷を入れれば何時間も溶けず、熱々の飲みものも冷めることがない、高い保冷・保温力。

日本を代表する金属加工のまち、新潟・燕で培ってきた職人の高い技術でそれらは実現されています。

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航空機などに使われる、軽くて強度のある金属チタン。世界で初めてその難しい加工を実現し、工場発信の「ファクトリーブランド」としてテーブルウェアを展開しているのが、SUSgallery(サスギャラリー)です。

旗艦店である青山本店の販売スタッフと、国内外向けの法人営業として、自社ブランド商品やOEMの提案を担うスタッフを募集します。

どちらも、経験以上に重視したいのは、ブランドへの共感。

「この商品を好きになれそう」と直感的に思ったら、ぜひSUSgalleryのことを知ってください。

 

取材に向かったのは、表参道駅から歩いて5分のところにある、青山本店。

黒を基調とした店内には、商品が一つひとつ綺麗に棚に陳列されている。

鏡張りの天井が生み出す唯一無二の空間は、お店というより展示に近い印象。

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「博物館のような雰囲気の店内は、今年開幕する大阪万博ではデザイン統括もされている、建築家の藤本壮介さんにつくっていただきました。SUSgalleryの世界観を全身で体感し、お気に入りのプロダクトとの出会いを楽しんでいただきたいです」

本社のある新潟からオンラインでつないでくれたのは、代表の渋木さん。先代のお父さんから社長業を引き継ぎ、4年目になる。

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「これは、ブランドがブレイクするきっかけとなった大切な商品のひとつです」

手に持って見せてくれたのは、「ゴブレット」という真空チタンタンブラーシリーズの商品。ブランドのシンボルともいえる形状で、15年間変わらず愛され続けている。

2010年に横浜で開催された国際会議APECにて、日本の技術を代表する一品として、各国首脳に贈られたという。

創業は1965年。燕の町工場として長年技術を研鑽し、キッチンツールや魔法瓶を展開してきた。他社が海外に生産拠点を移すなか、今も国内に唯一残る一貫体制の魔法瓶工場だという。

「他社との差別化をはかるため、当社にしかできない、独自のものづくりを展開しようと着目した素材が、チタンです」

「チタンは非常に軽くて丈夫、そのぶん硬くて加工が困難な金属なんです。一筋縄にはいかないなかで、6年かけて技術を確立させ、真空二重構造のタンブラーを開発しました」

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高い保温・保冷性をもつ真空二重構造。チタンは無味無臭の金属だから、飲みものの繊細な味や香りもそのまま楽しめるし、半永久的に使い続けられる強度もある。

機能性はもちろん、見た目も美しい。一度手にすると長くそばに置いておきたくなりそう。

「誰かの心に響くような、そんな商品でありたいですね。どんどんつくって捨てられて、という流れではなくて。愛着を持って、長く大切に使い続けたくなる。そんな一生に寄り添える存在でいられたらと思います」

店舗は東京・青山、日本橋、愛知・名古屋に加え、今年の3〜4月には大阪に2店舗オープン。

昨年はミラノでの展示会で新作のランプシェードを発表するなど、長年の軸であるテーブルウェアにとどまらず、インテリアなど幅広い新商品開発にも力を注いでいる。

SUSgalleryの世界観を体感できる店舗が増え、ファンは世界中に広がっている。

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背景にあるのは、日本のものづくり産業への想い。

円安の影響や、材料費・電気代の高騰、技術者の高齢化など、日本のものづくりは岐路に立たされていると話す渋木さん。  

「こんなときだからこそ、ものづくりに真摯に向き合う職人たちと、日本にある素晴らしい技術を伝承していきたい。日本人が『日本のものづくりってかっこいい』と誇れるブランドでありたいんです」

「SUSgalleryが世界中の人に愛されるグローバルブランドになるために。日々頭を悩ませながら挑戦を続けているところです」

 

続けて、今回募集する職種を担当するお二人にも話を聞く。

青山本店の店長を務めるのが川崎さん。販売スタッフとして働く人は、川崎さんから仕事の基礎を教わることになる。

「入社5年目になりました。オープンの時から一緒に歩んできたので、このお店自体が同僚みたいな感覚ですね」

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20代のころ、革製の鞄の販売を経験。その後人事の仕事などを経て、再び販売職への転職を考えるように。

「初めてここの商品を見たとき、ずっと眺めていられるような、宝石みたいな美しさが印象的で。最初はタンブラーだと思わなかったので、日常的に使えるものだとわかって驚きましたね」

自分が惚れ込んだもので、手に取った人の心を豊かにしたい。そんな想いでSUSgalleryに入社。

以前の販売の仕事と、なにか違いは感じますか?

「鞄のブランドだと新作が出たり、サイズ違いを提案したりと、お客さまのリピートのサイクルができていました。でも、ここの商品は1つ買ったら満足する。再来店してもらうことの難しさを感じました」

「そのことに早めに気づいたので、どうやってまた来てもらうか、接客の勉強もしましたね。時間をかけてお話するスタイルのお店なので、選ぶ時点からの体験をより大切にしたいと思うようになりました」

青山本店は、SUSgalleryの店舗でも唯一、商品を試せるように飲食物を提供している。

寒い冬には温かいものを、暑い夏には冷たい飲みものやかき氷を。商品の機能性を伝えるために、実際に体験してもらうことには大きな意味がある。

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「以前、関西から旅行に来ていたお客さまで、通りがかりに入ってくださった方がいました。暑い日にキャリーケースを持っていたので、試飲で冷たいお茶をお出しして、ソファで涼んでいってください、とお伝えしました」

「そのとき使った小さめのタンブラーを気に入ってくださって、ご購入いただいて。その後も東京に来るときは必ず連絡をくれて、立ち寄ってくれるんです。自分に会いたいと思ってくれるお客さまがいらっしゃることはうれしいです」

店舗全体の目標はあるものの、個人のノルマはない。高単価で、売れていくスピードもゆっくりだからこそ、目の前のお客さんとじっくり向き合える。

強く売り込もうとしなくても、商品の魅力を丁寧に伝えていけば、共感するお客さんにおのずと届いていく。

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「自宅に差し込む光の加減や、インテリアの色や材質。ご自身の生活に取り込むイメージをするための会話を重ねるようにしています。じっくりとお店を回って、30分以上かけて選ぶお客さまも多いんですよ」

「この空間で過ごす時間をまずは楽しんでほしい。最初は見てもらうだけでもいいんです。綺麗ごとに聞こえるかもしれないけれど、購入に関わらず、『ほかのお店での買いものとは違う体験ができた』と感じてもらえたらいいなと思っています」

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新人スタッフも、入社後はすぐに店頭に立つことになる。

いきなり接客に入ることはないけれど、ただ立っているだけでなく、ディスプレイを整えたり、備品を補充したり。先輩たちの接客に聞き耳を立てながら、できる仕事を探してほしい。

「広いお店なので、やることは絶対あるはず。新人と思われないような動きをしてほしいというのはみんなに伝えています」

「とはいえ、自分が自分が、と主張するのではなくて。お客さまの気持ちを汲み取れたり、一緒に働くメンバーの気持ちを考えられたり、ある意味、シェアハウスにいるような感覚が近いかもしれません。同じ空間にいる人を思いやれることが何より大切ですね」

 

法人営業として、新しく入る人の先輩となるのが入社4年目の田中さん。

滋賀県出身で、新潟とはあまり縁がなかったものの、商品と海外展開に魅力を感じ、新卒で入社した。

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「外国語専攻だったので、語学力を活かした仕事を探していて。説明会で青山店に来たとき、川崎さんが店内や商品の説明をしてくれて、すごく素敵だなと思ったことが入社の決め手になりました」

営業スタッフは東京に2人、大阪と名古屋に1人ずつ。店舗があるエリアに営業の拠点を置くことで、周辺での販路拡大に力を入れている。

「小売店や百貨店のほか、ホテルやレストランに直接販売することもあります。ほかにも海外向けのEC対応や、OEMの窓口など、仕事内容は幅広いですね。ブランドの世界観が伝わるように、取引先と店舗で打ち合わせをすることも多いです」

営業の仕事は、大きく自社ブランド事業とOEM事業に分かれる。

ブランド事業は、SUSgalleryとして展開する商品などをより広めていく仕事。取り扱いの要望があれば見積もりや納期を提案したり、既存取引先でのポップアップなど販促に対応したり。

最近は海外展開にも力を入れていて、海外の展示会にも出展している。

「昨年はイタリアのミラノ、今年はパリの予定です。申し込みからブースづくりまで、何もわからない状態から取り掛かって、形にしていきました」

「少人数なので、自分たちでつくり上げる感覚が強い会社です。まったくの0からいろいろな経験ができることが、私はすごく楽しいです」

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一方のOEM事業は、社内の開発チームと連携して、クライアントのつくりたいものを形にしていく仕事。

今ある商品を売っていくのとは違うスキルが求められる。

「開発チームとクライアントの間に入るので、自分がきちんと技術のことを理解して、うまく相手に伝える必要があります。開発チームと丁寧にコミュニケーションを取って、聞いたことを間違いなく伝えるように気をつけています。海外の取引先だとそれがさらに英語になるので、難しいですね」

「まずチタンという素材が、硬くて丸めることも難しいこととか、素人だとわからない部分も多い。長く働く職人さんたちがいるから、実現できることばかりなんです」

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入社後、1ヶ月間本社に研修に行ったという田中さん。

燕三条の金属加工の歴史から学び、プロダクトがつくられる工程を一つひとつ見学。開発チームのメンバーと一緒に行動しながら、SUSgalleryのものづくりを吸収していった。

そのとき学んだことは、今も営業に生きている。

「OEMの仕事って、開発チームの状況が想像できないと難しいんです。たとえば、水筒をつくるために金型が必要になったら、金型屋さんとどんなことを相談するのか。研修で同行したから、バックグラウンドが想像できる」

「これまで、失敗もしながら学んだのは、コミュニケーションを密にとる大切さです。雪で発送が遅れるとか、メンバーが休みだから確認に時間がかかるとか。細かいことも報告しあうことで、案件が円滑に進んでいくと思っています」

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新卒で入社して、責任ある仕事を任せてもらえるのも、小規模ながら成長過程にある会社だからこそ。

長い時間をかけて築き上げた商品の力があるから、魅力をそのまま伝えることで相手に届く。販売や営業として働くうえで、健やかな気持ちで働いていける環境だと思います。

まずはぜひ店舗に行って、商品に触れてみてください。SUSgalleryの世界観を、もっと深く知りたくなるはずです。

(2024/2/28取材 大津恵理子、増田早紀)

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